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2005年12月26日 (月)

歌野晶午に心地よくだまされよう

友だちに借りていた

正月十一日、鏡殺し

(残念ながら報酬対象外)

を読んだ。短編集なんだけど、どれもあっと驚かされる仕掛けの施されたミステリー。

歌野晶午の名前を一気に有名にしたのは、2003年「このミステリーがすごい!」で年間1位に選ばれた『葉桜の季節に君を想うということ』。わたしも初めて読んだのはこの本。

葉桜の季節に君を想うということ 葉桜の季節に君を想うということ

著者:歌野 晶午
販売元:文藝春秋
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これはやられた! 読者をけむに巻く感じが、ちょっと筒井康隆『ロートレック荘事件 新潮文庫 』と似ているかなー、と思ったが(最後に焦って、ページを戻して、自分がどこで躓いたかを探してしまうところとか)、でもパクリとかそういうのではなく、小説の仕掛けを、最後で満喫できた読書であった(但し受け止め方は色々で、そういう読後感を嫌う人もいるらしい、ということがamazonのレビューを読んでいるとわかる)。

このドライブ感が味わいたくて、次々と歌野晶午を読んでみた。どれも、読書の楽しみを味わわせてくれる好著。

女王様と私 女王様と私

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店
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最新刊。現実世界の陰惨な事件を思い出させてちょっと辛い...。

さらわれたい女 さらわれたい女

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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藪の中、みたいな、視点くるくる小説。

魔王城殺人事件 魔王城殺人事件

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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場のしかけを楽しむ本。

ブードゥー・チャイルド ブードゥー・チャイルド

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店
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過去世とか、インターネットとか、色んな要素をえいやっと、理屈でまとめる、一瞬トンデモ本にも見えるミステリー。へいへいほー。

放浪探偵と七つの殺人 放浪探偵と七つの殺人

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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2004年6月の日記より:問題篇と回答篇を分けて載せ、読者にも考える時間を与えようとしている趣向だが、わたしは結局、問題篇読んですぐ回答篇を読んでしまう無粋な読者に。わたしにもわかった謎もあれば、全然わからないのもあり。バラエティに富んでいて楽しく読む。

Rommy―越境者の夢 Rommy―越境者の夢

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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ミステリーは殺人の謎解きだけではない! あっと驚いた。言われちゃえばそうなんだけど...みたいな。

世界の終わり、あるいは始まり 世界の終わり、あるいは始まり

著者:歌野 晶午
販売元:角川書店
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2004年8月の日記より:入間・飯能近辺で連続して起こった小学生誘拐殺害事件の、あっと驚く犯人と家族のねじれた苦悩、それをたたみかけるように描く、展開の読めない小説。相変わらず、歌野晶午の小説は、作中人物に対してではなく、完全に読者に対して謎解きの挑戦をしている。わかって読んでいても、先が全然読めない。そして、タイトルは、どんどん悲惨になっていく物語に、最後に希望の光を差し込ませる、ひとつのヒントだった。ふううん。

家守

著者:歌野 晶午
販売元:光文社
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ちょっと既視感のある話もあったが、それぞれにつながりのないミステリーがぱらぱらと収められている。

ジェシカが駆け抜けた七年間について ジェシカが駆け抜けた七年間について

著者:歌野 晶午
販売元:原書房
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2004年6月の日記より:歌野晶午は、で、作家が仕掛けたどういうわなで、そういう謎がかけられるの?、ってのが気になるので(読者にとっては謎でも作中人物にとっては謎でないことがキーとなる)、最後にどうやって読者に種明かししてくれるかが楽しみで必死に先を急いでしまうのだった。いやー、色んなこと考えるよねぇ。

2005年12月22日 (木)

伊井直行を読もう!

お母さんの恋人 お母さんの恋人

著者:伊井 直行
販売元:講談社
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なんと、伊井直行でアフィリエイト検索すると、この本1冊しか出ない。

一応16冊出るのだが、あとの15冊はアフィリエイト対象外だ。

他の15冊は下記の通り。3組は単行本・文庫本のセットなので、12種類か。

草のかんむり 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 327

草のかんむり 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 819

さして重要でない一日 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 428

さして重要でない一日 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 1,223

ジャンナ 著者 伊井 直行 販売元 朝日新聞社 定価(税込) ¥ 1,835

悲しみの航海 著者 伊井 直行 販売元 朝日新聞社 定価(税込) ¥ 877

悲しみの航海 著者 伊井 直行 販売元 朝日新聞 定価(税込) ¥ 1,631

星の見えない夜 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 1,325

進化の時計 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 2,243

三月生まれ 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 1,529

濁った激流にかかる橋 著者 伊井 直行 販売元 講談社 定価(税込) ¥ 1,995

湯微島訪問記 著者 伊井 直行 販売元 新潮社 定価(税込) ¥ 1,427

雷山からの下山 著者 伊井 直行 販売元 新潮社 定価(税込) ¥ 1,325

服部さんの幸福な日 著者 伊井 直行 販売元 新潮社 定価(税込) ¥ 1,785

本当の名前を捜しつづけるに彫刻の話 著者 伊井 直行 販売元 筑摩書房 定価(税込) ¥ 1,529

かつて『草のかんむり』と『さして重要でない一日』は講談社文庫の新刊になったときに買って読んだ。とても面白かった(その証拠に、結婚するときに厳選して持ってきた文庫本のかたまりの中に両方とも入っている)。新聞の書評でその年の総括をするときに『雷山からの下山』とか『湯微島訪問記』などが入っていたのも気になっていた(でもその時は読まなかった)。

圧倒的に打ちのめされたのは、『濁った激流にかかる橋』が読売文学賞を取って、新聞の書評欄で褒められていて、その直後に本屋の店頭で見かけて買ったときだ。一読して驚嘆。日本の物語なんだけど、どこでもない不思議な場所の物語。こんな世界が構築出来るんだ!、と感動した。色んな登場人物が出てくるが、この物語の主人公は濁った激流そのものと、そこにかかる、右岸と左岸を結ぶ唯一の橋だ。わたしには上手く語れないが、是非読んで欲しい! でも何しろアフィリエイト対象外だし...(;_;)。

『お母さんの恋人』はその続編にあたる物語だが(同じ場所が舞台となっている)、独立した物語として充分楽しめる。『濁った激流にかかる橋』を読んでいなければ、激流と橋がもう一つの主人公であることはわかりにくいかも。

『服部さんの幸福な日』は、活劇のような物語。日常の光景の中から、こんな荒唐無稽な冒険物語が構築できるとは!

こんなに面白いのに、なんでみんなに読まれないんだろう、とすごく不満。もう入手出来なくて図書館で取り寄せて読んだ旧作もどれも面白かった。

書店や図書館で見かけたら、是非読んでみて下さいね!

(なんかまとまらない紹介でごめん)

2005年12月21日 (水)

東京奇譚集

東京奇譚集 東京奇譚集

著者:村上 春樹
販売元:新潮社
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mixiのレビュー→Neo's Gardenに書いたものをそのまま転載。<ちょっとネタバレあります>

こんなに本に引き込まれたのはいつ以来だろう、と思う位集中して読む。ここ数年の村上作品の中では、わたし的にはベスト。
5つの短編が収められている。4編は「新潮」に掲載され、最後の「品川猿」だけ書き下ろし。みんな最初の作品「偶然の旅人」みたいに、作家である僕が人の話を聞いてまとめた、という形式をとるのかと思ったら(『回転木馬のデッドヒート』みたいに)、一つ一つ、語り口も、人称の取り方も違った。しかし、どの作品もすごくいい。村上春樹の短編集は、最近のより昔のが好きで、ずっとマイベスト短編集は『中国行きのスロウ・ボート』だったのだが、今回はそれに匹敵する魅力があった。
親子の相克とか、生きることの辛さとかは、こちらが年を取ってきたせいか、昔より身に迫るものがあり、村上春樹の小説の登場人物として、小ぎれいでおしゃれで、現実感がなくて、という感じでなくなってきたのに、非現実的な世界にトリップしている感じがたまらない。そして、登場人物たちがみんな、何かを「引き受ける」選択をしているところが、5つの短編の共通のテーマか。奇譚、というぱっと見グロテスクな表象の世界にとらわれず、何かを受容し、そのことで自分自身が救われる部分が、かくもわたしの心に響いたのか。
3編目「どこであれそれが見つかりそうな場所で」では、主人公は依頼主の探していたものを見つけられずに終わるが、これは、何か、もっと長い物語への布石なんだろうか? ちょっと期待。
逆に、探し物に明快な回答が与えられた「品川猿」は、これで完結してしまったようなさびしさが。
「偶然の旅人」には超常現象は一応ないが、後ろの話ほどミステリアスに(あ、「日々移動する腎臓のかたちをした石」は違うか...)。謎解きをしたいような、でもしたくないようなしてはならないような物語たち。もう一度、噛み締めて読みたい。

 
  

上と外(1)~(6)

上と外〈1〉素晴らしき休日 上と外〈1〉素晴らしき休日

著者:恩田 陸
販売元:幻冬舎
Amazon..jpで詳細を確認する

本棚爆撃」より転載

2001年09月02日(日) 恩田陸『上と外』1~6(幻冬舎文庫)

わたしはかつて、スティーヴン・キング『グリーン・マイル』(新潮文庫)も、毎月新刊が出るたびに買っておいて、全部揃ってからまとめて読んだ卑怯者である。作者の意図としては、雑誌のように、毎月物足りない位の量を読み進め、早く来月になって続きを読みたい、と渇望して欲しかった筈。でも『グリーン・マイル』が刊行されたのは子育てでばたばたしていた時期だったんだもん、勘弁して~。
『上と外』も、同様のコンセプトで刊行された続きもの。但し、本当に刊行と並行して書き下ろされていたので、2ヶ月に1回の刊行で、しかも当初5分冊と言っていたのが6分冊になった。3と4が「神々と死者の迷宮」上下となっているので、その辺のエピソードが伸びたのだろう。
最初から、完結したら読む、と決めていたので、書評系サイトの感想欄は見て見ぬふりをして読まずにいた。恩田陸というだけで買いだったので、本の帯や裏表紙の梗概も読まなかった。斜めに表紙をツートーンに分けた表紙のデザインが昔の福武文庫みたい、とどうでもいいことを思っただけで全く先入観なしで読みはじめた。

中米G国で遺跡発掘調査をする父を訪れる中学生楢崎練。父と離婚した義母千鶴子と、千鶴子と暮らしている妹千華子も一緒だ。年にほんの10日ばかりの家族の再会が、予想外の事件によって、明日の命をも知れぬジェットコースター的波瀾のストーリーとなる。主人公がはっきりしているので、この6冊の物語が終わるまで、練が死ぬことはないのだろう、と確信しつつ読んだけれど、じゃなければとても彼が生還出来るとは思えなかったほど、過酷な物語。練の超人ぶりは、ちょっと真保裕一『ホワイトアウト』の富樫を思わせる。日本で練たちの無事を祈る祖父や従兄弟ら親族のキャラクターもすごくいいし、恩田陸作品らしく、作者の主張が、様々なキャラクターの口からも、地の文からも伝わってくる。
これまでの恩田陸の物語とは、テーマも舞台も全然違い、スケールの大きさに驚かされたが、風呂敷を広げ過ぎた、という感じは全くなく、詰まるところ悪人が一人も出て来なかったことにも驚かされ、気持ちいい読後感を楽しむことが出来た。中盤からストーリーの格の一人となるニコがまた練以上に超人で、カタストロフィからの脱出の物語があまりにも現実離れしてはいたが、展開はあくまでも寓話の狂言回し、と割り切れば、充分楽しめた。

恩田陸を扱っているサイトを見ると、そのサイトの管理人が、恩田陸のみならず、読書という行為を愛していることが伝わってくるサイトが多くて、本人と関係ない場所ですらすてきなものに変える恩田陸の魔法にまた酔ってしまう。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344400224/nifty0b5-nif1-22/ref%3Dnosim/503-4371433-0383123

上と外〈3〉神々と死者の迷宮(上) 上と外〈3〉神々と死者の迷宮(上)

著者:恩田 陸
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

上と外〈4〉神々と死者の迷宮(下) 上と外〈4〉co神々と死者の迷宮(下)

著者:恩田 陸
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

上と外〈5〉楔が抜ける時 上と外〈5〉楔が抜ける時

著者:恩田 陸
販売元:幻冬舎
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上と外〈6〉みんなの国 上と外〈6〉みんなの国

著者:恩田 陸
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

未来をさがそう

未来をさがそう 未来をさがそう

著者:東倉 洋一
販売元:ダイヤモンド社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

<<同じ文章を、amazonの書評と、mixiのレビューと、自分のblogに投稿してあります>>

帯には「変化する情報化社会の『今と未来』を考える“新しい窓” みんなで語り、みんなで学ぶ情報教育のテキスト」と書かれている。小学校高学年の子どもに、情報化社会のい「いま」を伝え、未来について考えるきっかけ作りとなることを目的として書かれた本。

これからの世界でなくなるといいな、と思うもの(迷子、犯罪、病気など)、なくならないでほしいもの(友だち、死の実感、季節感など)、どっちがいいのか考えてみてほしいもの(学校、病院、お年寄りの世話など)、今後どうなるのか考えてみてほしいもの(お金、会議、自家用車、会社など)の4つのテーマで、現在のテクノロジーについて紹介し、今後の展望を語っている。

テーマによって、2005年の現状を伝える社会史のテキストのようでもあり、文明論的になっている部分もあり、色々考えさせられる。

この本が書いている「今」と「未来」について、自分なりに咀嚼し、自分なりの見解をもって、子どもと一緒に読みたい、そんな本である。

1テーマが見開き2ページで読みやすく、緑を基調とした装丁もきれいで(再生紙、植物性インク等環境に配慮した素材を使い、環境教育にもなるように考えられている)、少しずつ、それぞれのテーマについて考察しながら読み進めたい本。 おそらく、ほんの数年のうちに技術革新が進み、現状と見合わなくなる部分が出ているテーマもあるとは思うが、それでもなお、これからの時代について考察するヒントになると思う。

電話、テレビ、コンピュータ、電池の歴史について書かれたコラムも、わかりやすくまとめられている。

風味絶佳

風味絶佳 Book 風味絶佳

著者:山田 詠美
販売元:文藝春秋
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わたしは山田詠美のそんなにいい読者ではない。

デビュー作『ベッドタイムアイズ』ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨 から、芥川賞候補になっていた時代には何冊か続けて読んだが、自分と価値観が違うものを受容する力の小さい時代に読んだせいか、今ひとつ入り込めず。一時すごく人気のあった『ぼくは勉強ができない』ぼくは勉強ができない や『放課後の音符(キイノート) 』あたりも、さらっと読み流してしまった。読めばうんうん、とは思うけれど、自分とは別世界の人、わたしと友だちになってくれない人、という感覚がいつもつきまとった。

どうやら、山田詠美を受容するには、自分自身が成長しなくてはいけなかったらしい。それはわたしの問題なので、もっと敏感に感応する人もいるんだと思うけど。

『風味絶佳』は、「本の雑誌」今年のベスト10で堂々の1位に輝いた小説。軽く読みやすく書いてあるが、すごく打ちのめされる。すごいよ! これ! 食欲とか性欲とかが手に取るように描かれ、でもテーマはその先のもっと深いものであり、また、肉体を使う労働に従事するひとの誇りとか強靭さとかも表されている。恋の手触りみたいなものが1行1行にリアルに描かれていて、ドキドキする。さすが山田詠美!

もっと恋をしようとか、そんな簡単に言えることではないが、官能のスイッチをいつもonにして生きることの幸福を、この作者は知っている。知っているだけでなく、言語化してわたしたちに教えてくれることが出来る。この本を読むことで、自分のたたんであったアンテナを起こして伸ばすことが出来るような、そんな感じ。

はじめに

前からアフィリエイトに興味はあったのですが、既存のページにアフィリエイトリンクを貼る作業のことを考えると気が遠くなりそうだったので、Niftyのココログフリーがアフィリエイト対応でスタートすることになったのをきっかけに、既に持っているココログベーシックとは別にココログを立ち上げ、自分の好きなものを紹介するページを作ることにしました。

おそらく本の紹介が中心になると思いますが、自分の過去日記と、本棚爆撃と、Neo's Gardenmixiでのレビューを切り貼りして(だからテキスト的には当面そんなに新しいものは入ってこないと思われます)アフィリエイトリンクを貼っていこうと思います。

そんなに需要はないと思いますが、一種の実験として...。

よろしくお願い致します!

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